朝の天気予報で夕方からは春の嵐になる、と聞いたので昨日の午前中に慌てて桜の写真を撮影しに家を出ました。
谷あいに、芝生の緑の間を縫うように植えられた桜でシーズン中はパーッと明るいその場所。昨日はすでにほとんどの桜の花が散り、曇り空も手伝って閑散とした寂しい雰囲気が漂っていました。満開の季節をすぎたからわかる、桜の力。。。昨年の風景を脳裏に浮かべて、しばらく散策しました。
数年前にアラーキーこと写真家の荒木経惟さんの写真展を見る機会がありました。
その写真展で展示されていた写真の一枚に、散った桜の花びらが地面に花を咲かせているかのような作品がありました。地面を這う桜の木の根がまるで幹のように、散ったはずの花びらが咲いて見える写真。
桜を見るといえば上を見るのが当たり前になっていることに気づきました。
散った花びらは終わった存在と思い込んでいる自分。規定概念で自分が描く桜のイメージと、そこから外れたちった花びらの存在に気付かない貧弱な想像力。「貧弱な想像力」というのはやや大げさ表現ですが、それくらいの衝撃をうけた作品でした。
その作品に出会って以来、私の中に桜のイメージが増えました。上も下も。つぼみも花びらも。春も夏も秋も冬も。自分の想像力次第で広がる桜の美しさを探しながら桜を見ています。
写真は、側溝に積もった桜の花びらです。側溝がまるで京都の路地のように見えます。自分がその路地を歩く姿を想像してしばし心は京都へトリップ。そんな桜の楽しみ方もあると、静かな曇り空の下でたたずむRittyでした。。
▼この記事を書きながら聴いていた音楽:平原綾香 [感謝]
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