「人生フルーツ」は合計年齢177歳の夫婦のコツコツ、ていねいな暮らしを写した映画。「本当の豊かさへの深い思索の旅(チラシから引用)」をしてきました。
毎日がほんのすこし、良くなるといいな。
最近、高齢者を写したドキュメンタリー映画が増えていると北海道新聞にありました。「人生フルーツ」もまさにそんな映画で、建築家の津端修一さん(当時90歳)と妻・英子さん(当時87歳)の暮らしを写したドキュメンタリー映画です。ナレーションは樹木希林さん。
- あしたも、こはるびより。
つばたしゅういち 著
主婦と生活社刊
- ひでこさんのたからもの。
つばた英子
つばたしゅういち 著
主婦と生活社刊
ニュータウンに約300坪の土地を買い、家を建て雑木林を育て畑を耕す暮らしを50年、だそうです。コツコツ、ていねいに。という言葉が何度も出てきます。
90歳と87歳になってもできることを観せてもらえてよかった
私がこの映画を見ようと思ったのは、畑を耕し生きる、自立した高齢者の暮らしを見たかったから。私はこの先どんなふうに生きたいんだろう、と考えるヒントを探しに行きました。
映画は二人の日常を静かに流していきます。
畑に堆肥を撒く、クルミを収穫する、郵便を出す、街まで買い出しに行く、畑に標識を立てる、手紙を書く、、、。
会場は満席(私が最後の一席だった)で、私は時おり会場を見渡していっしょに観ている人たちの心を想像したりしました。
90歳の修一さんが自転車に乗っていることに驚く。87歳の英子さんがバスと電車を乗り継いで往復3時間以上の街に1人で買い出しに行くことに驚く。
人生フルーツを観ている間の驚きは、私にとっては=喜びだと思いました。こんなふうに年をとれたら・・・という希望。
修一さんが畑用の立札を作り、秀子さんが設置していく。立札には「おいしいよ!」などの気持ちをくすぐる一言がそれられている。真似したいと思いました。
毎日に転がるダークな気持ちを拭ってくれた
一番こころに残っているのは英子さんの言葉。
「夫が気持ちよく生きられるようにできたらいい。それがまわりまわって、私の人生をより良くすると思っているから。」
毎日の家事を嫌々やったり、夫が手伝ってくれない、と思うことを止めよう。毎日欠かさずやってくる出来事だから、否定するよりたんたんと。
そんな気持ちになった映画でした。
監督がDVDにはしないよ、と言ってるそうです。興味のある方は近くの劇場での上映チャンスをお見逃しなく。
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