ナナオの本社ビルのブランドロゴマーク
石川県白山市にある株式会社ナナオで工場見学をしてきました。

モニター製造工場といえば機械がガシャンガシャンと動く光景を想像していましたが、実際は社員さんが手作業でモニターを組み立てて検査し梱包する光景。


「彼女たちがEIZOの宝です」というナナオ社員さんの言葉にEIZOモニターのバックボーンの厚さを見た気がしました。

EIZOモニターはそれぞれの部品がEIZOモニターに統合・調整されていくからEIZOなんだ

先週の石川県行きの目的はEIZOブランドで有名な株式会社ナナオの工場見学。

EIZOユーザーの自分自身でもどうしてEIZOモニターなのかがぼんやりしていたのでその答えを探しに工場見学に参加しました。

 

EIZOモニターの生産フローは大きく分けて5工程

工場内部は思っていたよりも静かで広々としていました。

生産ラインは人力・手作業の部分が多く、その作業を担当しているのがほとんど女性だったことに驚きました。

生産フロー1:組立

生産ラインの一番初めはパネル・基盤やフレームの組立が主な作業。

パネルや基盤を組み立てる女性スタッフ

とても静かに淡々と作業されているので簡単な作業なのかと思ったのですが、実際に作業訓練を体験させてもらうとそう簡単ではなく、作業されている人たちの習熟度が高いことを実を持って体験しました。

作業台に立つスタッフ間の連携を最適にするために女性スタッフの中にリーダー役の方がいて、スタッフのモチベーションを維持しながら指導・管理を行っているのだけど、その人などは本当にすごい、という事務方Oさんの言葉が印象的でした。

生産フロー2:エージング

生産ラインの2番目はエイジング。組立てたモニターの電源を入れ、初期不良品のリジェクトや部品ならしをする工程です。

エージング中の多数のモニター

誰もいないところでたくさんのモニターが白い光を放っている無機質な雰囲気に工場らしさを感じました。なんとなくひんやりした雰囲気。。。

ちなみにエイジングにかける時間は、汎用モニターと医療・グラフィックス系生産ラインで違います。

  • 汎用モニター・・・1.5時間
  • 医療・グラフィックス系生産ライン・・・3時間

EIZOのモニターは数万円から何十万円の機種までたくさんありますが、その価格差には生産過程で費やされる時間も反映されているんだと納得しました。

生産フロー3:調整

組み立てられたモニターはこのEIZO基準の調整を経てはじめてEIZOモニターになる、そのぐらい大事な工程が生産ラインの3番目の調整。

色と明るさを機械で調整しているところ

画面に映し出す色をたとえば赤⇒緑⇒黒白グラデーションなどのように変えながらEIZOモニター基準の赤・緑・黒白グラデーションになっているかをチェックし、ズレがあれば調整していきます。

この調整でEIZOの赤といえば○○みたいなものがモニターに吹き込まれるので、EIZOモニターのオリジナリティが注入されるのはまさにこの工程のようです。

ちなみにこの調整作業でも汎用モニターと医療・グラフィックス系生産ラインで内容が違います。医療・グラフィックス系生産ラインでは専用の機械を使って10~30分もかけて細かな調整を行い、256階調すべてをチェックする機種もあるとか。さすがにすべてをチェックして出荷するのはEIZOぐらいだろうと話しておられました。

EIZOモニターに海外製のパネルが使われる理由

実は、EIZOのモニターには海外製のパネルが使われています。EIZO=オール日本製と思っていた私などはこの事にすごく疑問を持っていたのですが、ナナオさん曰く「ナナオが良いモニターを完成させるのにふさわしいパネルを選ぶことが大事」だとか。

どの国で作られたかではなくナナオがよりよいモニターに調整し仕上げやすいパネルかどうかが大事で、日本製パネルであっても調整する余地が少ないパネルは選びにくいんだそうです。

生産フロー4:検査

生産ラインの4番目は検査。最終チェックも機械ではなく人が担当しています。

モニターの検査をしている女性

検査の担当も若い女性たち。

この作業もかなり淡々としていてスピード感があるので一見簡単そうなのですが、この女性たちがかなりの熟練工。他の職員がチェックしても見つけられない事を彼女たちはすぐに見つけてしまうんだそうです。

EIZOモニターの完成度をチェックする彼女たちの熟練度が一定に保たれているからこそ、EIZOモニターの品質も一定以上に保たれているのであり、ある意味彼女たちの目や感覚にEIZOモニター基準が焼きついているんですね。

生産フロー5:梱包

生産ラインのラストは梱包。人の手で1台1台梱包されていました。

モニターを梱包している男性

自分のモニターもこの方たちの手で梱包されてやってきたのだと思うと、スタッフの方に対する親近感が湧きました。工場見学は物づくりに携わる人を身近にし物自体への愛着を高める効果がありますね^^

最後に-ある社員さんの言葉-

生産ラインに立つ女性たちは基本的に正社員。事務方の人にアルバイトではないの?と質問したら、
彼女たちがEIZOの宝。
正社員採用が原則で当然です!

と毅然と答えられたのが忘れられません。

生産現場の人たちが質の高い製品作りに日々取り組むと共に、非生産現場の人たちがそのことの重要性を理解している。このスタッフ同士の関係にこそナナオさんのものづくりの核があるんじゃないかと思いました。

そして私自身が探していた答えもこの言葉にあった気がします。相変わらずぼんやりとしているけれど、今はだからEIZOモニターなんだという気持ちです♪

EIZOダイレクト

一緒に工場見学した方の感想

▼私のEIZOモニターのレビュー
EIZOの液晶モニターS2242W-Eのレビュー(購入から3ヶ月経ちました)