秋の美瑛を訪れて、写真を撮る気がスーッと消えた。なぜでしょうね。
景色が写真とは違う美しさで
そろそろ旭川でも最低気温が10度を切るようになってきました。
油断していたら夫が鼻声だったり、窓際に置いていたパプリカが外から吹き込む冷風にやられていたりと、北海道は一気に冬に向かおうとしているところです。
旭川近郊の大雪山系はシルバーウィークの前半が紅葉の最盛期。紅葉写真は道内のwebメディアに掲載されているのでそちらでどうぞ。
私も連休中に夫のお父さんと夫と3人で山に行ってきます。
自分が写真を撮っていることも、写真で見た気になってしまうことももったいなくて
冒頭の写真は、門間さんのレシピで焼いた白いパンをもって訪問した美瑛の知人が連れて行ってくれた、とある丘。
秋の美瑛はジャガイモや牧草、麦の収穫が終わった茶色の畑に大型の農耕機が入るんですね。濃い茶色の土を農耕機が何本もの筋を畑に引いていました。そして、農耕機が整えた後の畑は、一方からは厚手の綿のデニム地のように力強く太陽の光を受けとめている景色、反対側からは薄茶色のシルクサテンが丘にかかっているような景色。サラサラと光が流れていくような光景に感動しました。
私たちが動くたびに一瞬一瞬で色を変える景色に、カメラを構える気がしなかったんですよ。
旭川から美瑛に車を走らせている道中でも徐々に高くなる太陽光に照らされた収穫前の稲穂が美しく。あれもこれもとカメラを持っていた時には考えられないのですが、「ああこれは、家族や友人たちに見てほしい景色だけど、写真で見せたくない景色だ」と思ったんです。「来て、感じてほしい」。
景色って風も太陽の熱も匂いも全部こみのものでしょう。
「景色って風も太陽の熱も匂いも全部こみのものでしょう。だからじゃないかな?」と知人が私の気持ちを言葉にしてくれました。
北海道に来てからの私は、写真=道外の家族や友人に見せたい北海道を切り取るものでもありました。でも、その日は写真がとれませんでした。私自身に何か変化が起きたのか、北海道の自然の深さに圧倒されたのか。
※ちなみに・・・丘のまちとして多くの写真愛好家も訪れる美瑛は「いわゆる(写真撮影マナーにおける)美瑛問題」があります。少しでも良い写真をと、公道と農家の方たちの財産である丘の畑との間の一線を越えてしまいがちなカメラマンたちのトラブル防止のためにボランティアも活動されています。私も農家の方に不快な思いをさせた可能性があると思う。美瑛の丘は農家の方たちが日々作り上げたもの。全くの自然とは違う美しさは農家の方たちの日々あってのものです。
紅葉も美しいですが、真冬の北海道も素晴らしいですよ。
旭川近郊(美瑛、東川、富良野あたり/函館とか小樽とか帯広とか釧路とか根室とか網走とか稚内は遠方になります)にお越しの際はお声かけください。
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