暗闇に光で描かれた絵を見ました。
奈良市ならまちの一角。赤膚焼の茶器を扱うそのお店は、武田高明さんという燈火による空間演出を行う方のお店。店内に置かれた大小さまざまな燈火器と、ゆらゆらと揺らぐ光の美しい模様に癒されました。
少し前に奈良市の友人の案内でならまちに行ってきました。
遠足で何度も行ったことがある奈良市だけど、ならまちは初めて。思った以上に古い町屋が多く、町の人たちの暮らしが今もそこにありました。
« 画像 »赤膚焼という陶器は知りませんでした。友人が「私が好きな焼物、萩焼が好きならきっと好きになるよ」と教えてくれて、赤膚焼を扱うお店にふらり入店。それが武田高明さんのお店寧屋工房(ねやこうぼう)でした。
« 画像 »赤膚焼は赤膚山という地名もしくは赤みを帯びた地肌から名がついたとされます。現在は五条山、富雄、西の京や郡山に窯があり、奈良絵の絵付けを施した物が良く知られているとか。私は花喰鳥が描かれた器を買いました。
« 画像 »陶器のあれこれは調べてみたけど難しい。でも、すぐそこに地べたがあるような土感と繊細さが一体となった赤膚焼に魅力を感じました。私の好き系です。店内の器は一つ一つに個性があって、私がこの"ぐいのみ"にコレ!!と出会いを感じました。
※陶器は「両手で持ちたくなる」のが出会いのしるし←私の場合(笑。
寧屋工房で目を引いたのは暗闇にゆらめくろうそくの光。
写真は本来、撮影禁止ですが、無理をお願いし、ちいつもblog用に撮影許可をいただきました。
小さなろうそくの光が燈火器を通して周囲の器や壁に模様を浮かび上がらせます。空気の揺らぎに合わせて模様もゆらゆら。壁にゆらぐ模様は暗闇に光と影で描いた絵のよう。美しく不思議でした。思わず目を閉じて深呼吸してしまう心地よさ。
燈火器は一つ一つの模様が非常に精緻で角がはっきりしているのが印象的でした。工房で武田さんが彫られているそうです。
写真の燈火器は手のひらサイズ。店内には直径30センチを超えるような燈火器もあり、模様同士の隙間が小さければ小さいほど美しく、大きくなればなるほど空間に力が生まれるように感じました。(数千円†数十万円で販売も)
武田さんは赤膚焼の茶道具を作るかたわら茶室の光の演出を担当していたのがきっかけで、空間演出を手掛けるようになったとのこと。直近では3月19日に京都国立博物館で行われた音燈華(おんとうげ)を担当されました。次のイベントは今は未定とのことなのですが、ぜひ行ってみたいです。
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