ニッセンの包装

ニッセン福井物流倉庫に行ってきました。最初は目的はニッセンの価格の秘密を探る、でしたが、振り返ると段取りや準備の奥深さを学んだ感じ。


17年前に最先端の設備を、数年前にトヨタ生産方式を導入した物流倉庫の内部はとても精緻でした。

商品の一生を管理して、良いものを安くを実現

大型家具からお洋服まで、総合通販ショップの中でいちばんよく買い物しているニッセン。気付いたら「これ、ええやん」と買ってしまう、いまの私にはトップクラスで価格満足度が高い通販です。

格安商品が世の中にあふれているけどよい格安商品と悪い格安商品の違いってなんだろう、私はどうしてニッセン商品に価格満足することが多いんだろう、と考えていたので、リンクシェア「ニッセンロジスティクスセンター@福井」見学会に参加してきました。

スムーズな物流倉庫づくりは倉庫以前からはじまっている

ニッセンには大きく分けて3つの物流倉庫があり、福井ロジスティックセンターはその中で最も大きい施設。北陸道、金津ICのすぐそばにあり、大型トラックが頻繁に出入りしていました。

ニッセン 福井ロジスティクスセンター ニッセン 福井ロジスティクスセンター

この倉庫は1993年に建てられ、当時、最先端の物流設備でした。設備にはmuratec(村田機械)のロゴが。ムラテックの物流設備はニッセンのほかに千趣会(ベルメゾン)も導入しているそうです。

ニッセン 福井ロジスティクスセンター ニッセン 福井ロジスティクスセンター

仕入先から届いた商品は、機械が内容を判別し、機械が仕訳をして次の作業に最適な場所に移されます。段ボールひとつとっても、決まった情報が同じ場所に記載されるよう規格が統一されています。ショップで働いていたときはバラバラの規格の段ボール箱を自分で内容確認し仕訳していたので、ずいぶんな違いです。

商品作りの時点でデータ(商品の重さや大きさ)を管理し、倉庫への出荷の際には段ボール箱が名札代わり。倉庫の機械たちは、そのデータや名札のようなものを参考に仕事をする。

効率的な物流のための商品管理は、商品を作るところから始まっていて、だからこそ機械が活躍できるというわけです。

村田機械の物流設備×トヨタ生産方式が低価格の秘密!?

福井ロジスティクスセンターは2006年から豊田自動織機の資本が入っています。豊田自動織機はトータル物流コストの低減および物流改善をやっている会社で、ホームページでも

生産から商品が小売店舗のレジを通過しお客様に届くまでを「物流」と捉え、小売店舗内の物流改革を含め、「モノ」の流れを全体最適の視点から一気通貫で改善する独自のビジネスモデル

とあります。倉庫見学したあとだからこそ、この意味が具体的に理解できた気がします。

人がやららないといけないこと、人の方がコスト削減になることもある

機械を使って効率化、と書きました。だけど人がやらねばならないこともあります。

ニッセン 福井ロジスティクスセンター ニッセン 福井ロジスティクスセンター

注文内容に応じてBOXがどの商品エリアにどの順番でいくかを判断するのは機械ですが、注文者別に用意されたBOXに注文品を入れていくのは人です。

ニッセン 福井ロジスティクスセンター ニッセン 福井ロジスティクスセンター

BOXにまとめられた注文品を箱詰めするのも人。当初は機械がやっていましたが、調査したら人の方が効率的だったため変更したそうです。運用コストは断然機械と思っていたので、意外でした。最善と思った方法も検証することが大事だと学びました。

返品された商品の話

無駄のない作業で発送された商品も一定割合で返品されて戻ってきます。ニッセンは私たちの都合(イメージ違いなど)による返品でも、返品送料が無料という珍しいサービスを実施していますが返品率は通販平均と同じ1割程度。

ニッセン 福井ロジスティクスセンター ニッセン 福井ロジスティクスセンター

返品された商品は、返品シートの声が担当者に届けられると同時に、チェックを受けて再ピッキングされます。あれ?「返品商品はまた売るらしい」と消極的にささやかれてた話がフツウな感じ。

考えてみたら「返品→検品→再ピッキング」は実店舗でも同じすね(笑。

物流コスト管理の徹底が格安良品の秘密かな

良い格安商品と悪い格安商品は、格安の理由が違いますよね。倒産品や売れ残り品は別にして、定価ベースで良い格安商品を作るには、商品の質以外のコストをどれぐらい削れているかが大事と感じました。

ニッセンの福井ロジスティックセンターは、到着した商品がお客さん単位で梱包される流れが渓流のよう。安心して商品を購入したくなる理由の一端を確認できました。

そして、私の毎日もあんな風にスムーズに流れを作りたいなあ、と思いました。

ニッセン