山崎蒸留所で見聞きしてきたウイスキーのお話を忘れないようにこの記事にメモしておこうと思います。
ウイスキーの赤ちゃん「ニューポット」がわずか1週間程度で出来ること、そこから長い年月をかけて樽熟成されることでウイスキー独自の琥珀色が生まれることや完成したウイスキーはブレンダーの技術によって一定の品質を守られていることなど、ビールやワインとは違う工程から生まれるウイスキー、なかなか面白かったです。
「サントリートピックスブロガーズイベント『山崎蒸留所:シングルモルト楽しみ方講座†ハイボールから始めよう†」に参加して、回らせてもらった山崎蒸留所の工場内部。
ビール、日本酒やワインとは違う製造過程に興味深々で、お話を聞きながら全てを回ると初心者の私もなんだかウイスキー通になった気分。せっかく教えてもらったことなので、この記事にまとめておこうと思います。
最初に見学したのは、仕込みのお部屋と発酵のお部屋。部屋に入るとふわ†んと生暖かい香り。米こうじ?酒かす?もろみ?適切な例えが見つかりませが匂った経験がある香りです。
« 画像 » « 画像 »「角」や「響」はブレンデッドウイスキーで、「山崎」「白州」はモルトウイスキー。
「山崎」と「白州」はそれぞれの蒸留所の原酒のみで作っているのでシングルモルトウイスキーと呼ぶそうですが、普通は90%以上が複数の蒸留所の原酒をブレンドしているそうです(単一の蒸留所⇒”シングル”)。
ちなみに発酵に使われている槽はステンレス製と木製があり、山崎蒸留所ではどちらの発酵槽も使用。両者を使い分けていることもサントリーのこだわりだとか。
次に移動したお部屋は高温多湿のムンムンしたお部屋。部屋中に白味噌のような甘くて発酵した香りが充満していて、京都のお正月っぽかったです(お雑煮は白味噌仕立て)。
左右に6つずつ(合計12)の蒸留釜が配置され、左側が初溜釜・右側が再溜釜と二度の蒸留を行っています。
« 画像 »ちなみに、海外の蒸留釜はここまで細かく分けていないそう。2種類の発酵槽や材質や大きさや前歴(バーボン樽やチェリー樽など)の異なる樽を使って作り分ける原酒の種類は100種類以上(山崎では60種類以上)になり、繊細な味覚を持つ日本人ならではの日本のウイスキーの特徴ともいえそうです。
※「ニューポット」・・・蒸留室で二度の蒸留を経たもの。無色透明でアルコール度数は70%。このまま樽につめると蒸発するので、いったん水で薄めて58%にします。
原料の仕込み・発酵と蒸留までは、たったの1週間程度で終わるそうです。短い!
だけどウイスキー作りはココからが長い。それが「樽熟成」。同じ蒸留酒の焼酎は、蒸留したら完成となるものもあるようなので、熟成工程の有無をウイスキーと焼酎の違いの一つにあげることもできます。
蒸留段階で無色透明だったニューポットですが、それが樽に詰められて琥珀色に変わっていきます(この琥珀色は樽の木の成分”ポリフェノール”の赤味!ウイスキーはワインの数倍のポリフェノールを含むんだそうですよ♪)。
« 画像 » « 画像 »無色透明だったニューポットが樽に詰められてゆっくりゆっくり個性を育てていくわけですが、それをそのまま出荷したらばらばらの味になります。そこで重要になってくるのがブレンダーという職人さんたち。
蒸留釜の形だけでなく、樽の使用回数や場所によって異なる個性の原酒を、たとえば「山崎12年」という商品の味になるようにブレンドして調整するんだそうです。
ワインはぶどうの出来によって当たり年外れ年がありますが、ウイスキーはブレンダーの技術によって同じ味になるように調整されています。ブレンダーによる調整が入るため、全てが活かされることがウイスキーの良さだという説明が印象的でした。
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